会社に入って1年目のころの話。
その頃は営業所勤務で、昼になると近くのほっかほっか亭(今のほっともっと)に弁当を買いに行くことが時々あった。
私が注文をまとめて電話して注文するのならまだ良かったのだが、
私より1年先輩のO田さんにかかると大変な目にあった。
この人は根は悪い人ではないのだが、いろいろ悪さをするのが好きな人であった。
O田さんがほか弁に電話すると
「もちもちぃ、あのー、のり弁ひとちゅ(1つ)とかちゅ丼(カツ丼)をひとちゅ、
おねがいちまちゅ。○○(私の名前)でちゅ。」
ってな具合である。
弁当を取りに行くのは私である。
店のおばちゃんたちには「この人か」という白い目で見られ、あるときはいたずらと思われ、注文が通っていない時があった。
O田さんは、レーザーポインタが世に出回りはじめたころ、いち早くこれを入手していた。
うれしくなって田舎の暗い夜道を一人で帰宅する若い女性にレーザーを照射し、追尾したら、大声をあげられたらしい。
上司が休みだったある日、O田さんは、事務所のケーブルテレビで競艇中継をずっと見ていて、大当たりしたらしく、飛び出していってそのまま帰ってこなかったこともある。
ダイヤルQ2(今でいうところの出会い系)に電話し、仕事中にアポが取れたといって帰ってこなかったこともあった。
事務所の近くの公園に子犬が3匹捨てられていて、家で飼うというので1匹を自転車に乗せて自宅に届けたら、この犬は返品交換とのことでまた公園まで戻って、違う犬を届けたこともあった。
そんなO田さんだったが、よく飲みに連れて行ってくれた。その後会社を辞められたので今は何をしているのかはわからない。