我が家のすべらない話【すべて実話】

身の回りで起こった面白い話を毎日12時30分に更新していましたが、ネタが尽きてきたので2023年7月23日より更新頻度を減らします。

おとなしい先生がついに怒鳴ったのに(060)

高校2年の頃、英語の先生に非常におとなしいK先生がいた。
普通科の高校なので、そんなに悪さをする生徒もいなかったのだが、何か問題を起こした生徒がいても
「おえんで、いけんで」(岡山弁で「だめだよ」の意)程度で済んでいた。

 

そんな感じなので授業中も生徒たちは、K先生の話を聞くことはなく、K先生もマイペースで授業を進めていた。
よって授業中は常に騒々しい状態にあった。

 

が、ある日の授業中、このK先生が


「うるさい!静かにしろ!」

 

と怒鳴ったのだ。

生徒は一瞬にして静まり返り、

「おっ、ちゃんと言えるじゃないか」と私も賛辞を送りたい気分であった。

しかしK先生は生徒の動揺に目もくれず、続けて、


「と父は言った」

と言ったのである。

つまり、

「『うるさい!静かにしろ!』と父は言った」

と言っただけなのである。

日本語を英語にする時間であった。

 

「と父は言った」
のあと「ぷっ」と吹き出す生徒の声があちこちで起こった。


おとなしい先生の必死の抵抗のようで今思い出してもおかしい。