大手百貨店のクレーム対応(201)
毎年、大阪に住んでいる伯母さんと贈答のやりとりをしている。
伯母さんは大阪にある百貨店で買った商品をいつも送ってくれる。
その年の夏は夕張メロンが2個届いた。
何日か経って食べてみたが、1個はあまり甘くないような気がしたが、
そういうものだろうと思っていた。
数日後、伯母さんから電話があって、メロンが美味しくなかったら正直に言ってほしいと言われ、
1個はあまり甘くなかったと答えた。
どうも他に贈った人からもそういう声があったらしい。
伯母さんが百貨店にクレームを入れたところ、数日後また2個メロンが届いた。
今度は2個とも甘かった。少し得した気分だった。
その年の冬は伯母さんからクリスマスケーキが届いた。
冷凍で届き、解凍して食べるタイプのもの。
クリスマスに食べようと置いておいたら、百貨店から電話が、
「ケーキの飾りを入れ忘れました。ちゃんとした商品をもう1個お送りします」
こうしてこの年のクリスマスは大きなケーキを2個食べることになった。
百貨店のクレーム対応はしっかりしていると感じた。
会議で怒られている時に反撃する方法(200)
今でこそオンライン会議はTeamsやZOOMを利用しての会議だが、つい5年くらい前までは、テレビ会議システムを使って、会議室で会議をしていた。
そのころ本社とテレビ接続して、支社の計画の達成状況を説明するという会議を毎月おこなっていた。
だいたいは現場を知らない本社の部長たちが、好き放題発言してこちらが怒られるというのが定番となっていた。
この日は、営業推進部の部長が作った渾身の資料の説明があった。
その資料は、やたらと原色を使ったセルの色、太文字と斜体文字の乱用、フォントの不統一とファイルを開いた時点で見る気を失う。
そして中身はないのになぜか10メガと容量だけは重い。
またエクセルのファイル名には「.xlsx.xlsx.xlsx」と拡張子が3つも付いていて、どんな保存の仕方をしたらそんなファイル名になるのかと思いつつ会議に臨む。
その部長の話すパートになり、延々と資料の説明が続く。
テレビ会議なので、画面に映っていない人は「早く終わんねーかな」といったムードが漂う。
その時、
「何を言っているのかわかりません」
とSiriのわりと大きな声が静かな会議室に響いた。
私の隣りの席にいた支社長がI-padを触っていて、突然Siriがしゃべったらしい。
慌てる支社長を横目に私は笑いをこらえるのに必死だった。
まさに絶妙のタイミングでSiriが我々の気持ちを代弁してくれた。
そんな使い方もあるのかと感心した出来事だった。
クソガキのエイジに手を焼くおばあさん(199)
この前、大学病院の中にあるコンビニで、80歳くらいの杖をついたおばあさんが、
「エイちゃん」
と大きな声で何度も呼ぶ声がした。
「エイちゃん、早く決めなさい」
孫がお菓子をなかなか決められないのだろう。
それでもまだ
「エイちゃん!」
「エイちゃん!」
「エイジ!」
ついにばあさん激怒。
しかし歩いてエイジのところには行けない。
エイジ、クソガキだなぁと思って、レジに並ぶと隣に例のおばあさんがいて支払いをしていた。
おばあさんの横にいたエイジは、
50歳をゆうに過ぎていると思われるおっさん
だった。
エイジ、しっかりしろ!
出川イングリッシュのおっさん(198)
仕事の帰りに博多駅で、外国人に道案内をしているおじさんがいた。
見た感じ全然英会話などできなさそうな田舎から出てきたおっさん。
明らかに外国人の人選ミスという状況。
おっさんは、身振り手振りで、
「つきあたりを右」
と日本語で説明したあと、
外国人がイマイチ理解できていないのを感じ取ると
さらに激しい手振りで勢いよく
「ズッドーン を 右!」
と言っていた。
つきあたり=ズッドーン
なんか英語っぽい気もするし、
ぜひ出川さんに使ってほしい気もする。
で、あの外国人は理解できたのだろうか。
チャック全開のお姉さんとの葛藤(197)
ある朝、出勤のためいつもの時間の電車に乗り座っていたら、あとから20代前半くらいのお姉さんが乗ってきて、私の前に立った。
ジーンズをはいていたのだが、ジッパーの金色が不自然に開いていたのが目に入った。
もしやこれは。
完全にジッパーが下りており、中の黒い布が見えている。
それが下着なのか裏地なのかは判別がつかない。
読書していたが集中できない。
お姉さんがどんな顔をしているのか見てみた。
マスクをしていて分からないが、トパーズ色のマニキュアをした小柄な女性だった。
電車の揺れで上着のセーターが降りてきてしまい、しばらくしてから見えなくなり、
少しがっかりしていたら、お姉さんは両手で吊革を握ったもんだから、またご開帳。
目のやり場に困る。
隣のおっさんも見てると思う。
私が下車する手前の駅でお姉さんは私の横に座ることになり、サービスタイムは終わった。
こういう時は教えてあげた方がいいんだろうか。
この電車の中では言えんわな。
女性から言われないと恥ずかしいだろうし、セクハラとか言われてもかなわんし、
「君子危うきに近寄らず」
私の行動規範です。
読んでいた本も1ページも進まなかった。
あの後、いつ気がついたのだろうか。
本社からやってきた食通の部長の失態(196)
数年前、長崎支店に本社から部長がやってきた。
監査部の人で重箱の隅を突くような指摘をするので、どの支店のメンバーからもあまり快く思われてはいない。
私は福岡で九州の取りまとめの部署なので仕方なく同行することになり、長崎に付いて行った。
夜に長崎支店のメンバーを交えて懇親会があった。
部長は、かつて金沢支店長、大阪支店長などを務めており、その土地のうまいものをたくさん食べてきて、各地の名物を語り始めた。
中でも馬刺しは九州のが一番とのことで、他で食べるのとは全然違うなどと熱弁を奮っており、この夜も早速注文していた。。
そして、
「馬刺しでございます」
と馬刺しが運ばれてきた。
まず、部長が一口目を食べるやいなや、
「うまい!九州の馬刺しは違う!!」
「この長崎の焼酎もよく合う」
などと大変ご満悦な様子だった。
そして、馬刺しが半分くらい消費されたころ、
「こちら馬刺しでございます」
また馬刺しが運ばれてきた。
先ほども来たよと言うと店の人は、
「申し訳ございません。先ほどのはクジラの刺身でした。こちらが馬刺しでございます」
私の頭の中はさっきの部長の発言が再生される
「九州の馬刺しが一番」
「他で食べるのと全然違う」
「うまい!九州の馬刺しは違う!!」
笑いをこらえるのが精一杯だった。
部長は
「うん、クジラもうまいな」
と言った後、口数が少なくなった。
ついでに言うと、焼酎は鹿児島産だった。