会議で怒られている時に反撃する方法(200)
今でこそオンライン会議はTeamsやZOOMを利用しての会議だが、つい5年くらい前までは、テレビ会議システムを使って、会議室で会議をしていた。
そのころ本社とテレビ接続して、支社の計画の達成状況を説明するという会議を毎月おこなっていた。
だいたいは現場を知らない本社の部長たちが、好き放題発言してこちらが怒られるというのが定番となっていた。
この日は、営業推進部の部長が作った渾身の資料の説明があった。
その資料は、やたらと原色を使ったセルの色、太文字と斜体文字の乱用、フォントの不統一とファイルを開いた時点で見る気を失う。
そして中身はないのになぜか10メガと容量だけは重い。
またエクセルのファイル名には「.xlsx.xlsx.xlsx」と拡張子が3つも付いていて、どんな保存の仕方をしたらそんなファイル名になるのかと思いつつ会議に臨む。
その部長の話すパートになり、延々と資料の説明が続く。
テレビ会議なので、画面に映っていない人は「早く終わんねーかな」といったムードが漂う。
その時、
「何を言っているのかわかりません」
とSiriのわりと大きな声が静かな会議室に響いた。
私の隣りの席にいた支社長がI-padを触っていて、突然Siriがしゃべったらしい。
慌てる支社長を横目に私は笑いをこらえるのに必死だった。
まさに絶妙のタイミングでSiriが我々の気持ちを代弁してくれた。
そんな使い方もあるのかと感心した出来事だった。