幼児に「わぁ、すごいかっこいい車!」と言われる (103)
会社に入った年に車を買い換えた。
(大学時代は軽のターボ車に乗っていた)
住宅の営業なので、なるべく「白色系4ドアセダン」を買うよう上司から圧力が
あった。
(当時は自分の車を営業車として使うのが会社のルールだった)
その頃、車に関しては、少々こだわりがあり、いわゆる「走り屋」系の車が好きだった。
いくら仕事とはいえ、プライベートまで会社に口出しされるのもどうかという若さゆえの反発もあり、熟慮の末、買った車が、
三菱ランサーエボリューション4
である。
親が三菱自動車系列勤務だったので、親は文句は言わなかったのだが、会社では、羽を取れとか、あまりに下品だとか文句をさんざん言われた。
この車は限定生産車なので、買った当初は見たことのない人がほとんどで珍しく、町を走るとデート中の女子高生が振り返り、高速道路の追い越し車線では必ずみんなが避けてくれるほどの存在感であった。
中でも強烈に印象に残っていることがある。
仕事で市役所の駐車場に車を止めていた時のこと。
4歳くらいの男の子が、私の車を指差し、
「わぁー、お母さん、この車見て!すごいかっこいい車」
と言ったのである。
幼児に褒められただけのことであるが、妙にうれしかった。
この車はその後9年間、11万キロ走った。