入社して最初に営業に配属された。
そのころ社員も支店も増加傾向で、管理職もどんどん増えていった。
通常、営業課員の上の管理職は「営業課長」になる。
ところが、年齢的には管理職になれるのだが、部下の管理のできない人がいた。
要は営業しかできない「売り」専門の人で、その人に与えられた役職が、
「専門課長代理」
陰では、
「専門課長って何?」
とか
「専門課長に『代理』まで付いている」
とか
「会社ももっとマシな役職を考えればいいのに」
とかちょっとした騒ぎになった。
今では「担当課長」という便利な役職が認知されている。
またある時期にはやたら横文字に傾倒して、
主任(リーダー)、係長(チーフ)、課長代理(サブマネージャー)
課長(マネージャー)、部長(ゼネラルマネージャー)、社長(プレジデント)
になったりした。
あるとき名刺交換でよくわからない役職の人を目にすることがあった。
〇〇銀行 □□支店 融資課 課長係長 山田太郎
課長か係長どっち?誤植?
〇〇銀行 営業推進部 金融改革特命課長 山田一郎
「特命」なんてついたらかっこいい。
が、結局何をしている人だかよく分からなかった。