我が家のすべらない話【すべて実話】

身の回りで起こった面白い話を毎日12時30分に更新していましたが、ネタが尽きてきたので2023年7月23日より更新頻度を減らします。

仏道修行中に友人の妨害に遭う(022)

高校の同級生に家がお寺の梶原(仮名)という友人がいた。
学校では、家がお寺というそぶりは見せなかったが、かなり字が上手だった。
進学先も私と同じ京都市内の大学だった。

 

大学卒業後は、京都の有名な寺で数年間修行していたらしい。
その時の模様を同窓会で聞いたのだが、なかなか面白かったので、今回書こうと思う。

 

ある日、梶原が寺の境内で修行中、ある男と目が合った。
その男は高校3年の時のクラスメイトの国本であった。
梶原は修行中は、他の者と話をしてはいけないことになっているので、
「おぅ!」と小さくあいさつをしただけで済ませたかったのだが、
劇的な再開に感動した国本は、
「わー!梶原じゃねえか。久しぶりー」
などとオーバーなアクションで大騒ぎしたらしい。
国本は学校の先生になっており、教職員の旅行でたまたま京都の寺に来たということだった。
梶原はお師匠さんに呼ばれ、説教されたらしい。

 

別の日、今度は足摺岬で修行をしていた時のこと。
師匠の下、何人かの僧侶で列を成して歩いていたら、
「梶原くーん、梶原くーん」
と大声で手を振る若い女性の姿。
高校3年の時のクラスメイトの松本さんである。
友人と旅行していたらしい。
梶原はまたお師匠さんに怒られる。

 

しかし、地元でもない場所でこのように友人と会うものであろうか。
そんな梶原も今では、古刹の住職になっている。
同窓会では、エロ坊主、破戒僧などと呼ばれていた。