よくテレビでハプニング集とかドラマのNG集などを放送しているが、子供の頃、衝撃を受けた放送事故がある。
当時小学生だったので、1980年代前半の頃だったと思う。
夜のテレビ特番で「生中継 ドミノ倒し世界記録に挑戦」みたいな番組があった。
恐らく、○曜スペシャルみたいなやつであろう。
番組が始まってまもなく、スタジオからドミノを並べている会場へとカメラが切り替わり、会場のドミノが並べてある中で男性レポーターが説明をはじめた。
レポーターはその局のアナウンサーだったと思う。
もちろん生中継である。
そこで起こるべくして事故は起こった。
レポーターがドミノをまたいだ時に足が引っ掛かったのか、ドミノが倒れて、スタートしてしまったのである。
ドミノは音を立ててものすごい勢いで進んでいく。
慌てふためく男性レポーター。
あ然とするドミノを並べている人たち。
その時の男性レポーターの狼狽ぶりと、彼の一言が今でも忘れられない。
彼はこう言ったのである。
「私の4月の給料、返上します」
結局、途中のストッパーで防がれ、ドミノは番組時間内に並べ直すことができ、世界記録を更新できたと記憶している。
当時、子供ながらに「私の4月の給料、返上します」は衝撃だった。
そうやって大人は責任を取るのか。
今、会社員となって、あらためてその言葉を思い出してみると、なかなか言える言葉ではないと思う。
あのアナウンサーはもう定年退職しているだろう。
どんなサラリーマン人生だったのか少し気になる。