我が家のすべらない話【すべて実話】

身の回りで起こった面白い話を毎日12時30分に更新していましたが、ネタが尽きてきたので2023年7月23日より更新頻度を減らします。

急傾斜すべり台での悲劇(064)

2008年に福岡に転勤でやってきた。
引越し後の混乱からしばらくたったので、週末は子供たちと公園、キャナルシティ、福岡タワーなどに出かけたりしていた。

 

油山にある「もーもーらんど」というところに行った。
牛や馬がいるほか、大型遊具なども豊富で、駐車場代300円のみでかなり遊べる施設である。

 

この遊具の中にとても傾斜が急なすべり台があった。
家の近所の公園にもあったし、海の中道公園にもあった。福岡には当たり前にあるのかもしれない。(前住んでた四国にはなかった)


普通のすべり台の傾斜が30度くらいだとすると、60度くらいはあろうか。
高校のころ習った積分の記号「∫」を斜めにした感じの傾斜である。
高さは2.5mくらい。
一度すべってみたが、内臓が浮くような感じで気持ちが悪い。

 

子供たちの中にはすべる前に恐怖を覚え、すべるのをやめる子供もいる。

そのような中、1歳くらいの子を抱いてすべり降りようとする40歳くらいのお父さんがいた。
この人、なんと立ったまま子供を抱いてすべり降りた。
スノーボードのような感覚であったのかもしれない。

 

案の定、滑り降りる途中でバランスを崩し、抱いていた子供はすべり台の斜面で顔面を強打、お父さんは着地に失敗し、転倒。足をかかえたまま1分間ほどうずくまったまま動けず。

子供の救助ができないほど痛かったのであろう。

母親は子供を助けに行ったが、このお父さんへの言葉は無かった。

父親は足を引きずり、子供たちの注目を浴びながら去っていった。

 

あとで我が家の長女いぶりんが言った。

「すべり台に転んだ人の帽子が落ちてたから、私が渡してあげたんだよ」

一部始終をすべり台の下から目撃していたらしい。

こういう気遣いができるのはすばらしい。
 

あれはおそらく骨折していたと思う。