先生に「君は勉強のやり過ぎだ」と言われた生徒 (074)
私は田舎の普通科高校に通っていた。
学年のトップクラスは、東大、京大に進学し、100人くらいまでが国立大学、それ以下は、中堅私大に進学する。
私は50~130番をウロウロしていた。
朝は、8時20分ごろから朝テスト、1時間目~7時間目、放課後に補講みたいなものまであり、勉強漬けにさせられた。
そのような環境下で忘れられない英語の授業の1コマがある。
その英語の先生はとても恐ろしく、予習をしていなかったり、宿題を忘れたりすると、
「ばかやろう!」と罵られ、廊下に出され、挙句の果てにはグランドを1周走らされたりした。
クラスに岡田という男がいた。
ものすごくまじめで努力をしているのだろうが、勉強のやり方が悪いのか、成績は芳しくない。
ある日、岡田に宿題の和訳をするよう先生が指名した。
先生:「岡田、She keeps cats and dogs の日本語訳は?」
岡田:「彼女は、どしゃぶりにあった」
先生:「・・・・」
先生は、少し考えた。
先生:「君は勉強のやり過ぎだ。普通に訳せよ。」
「cats and dogs」は、慣用句で「どしゃぶり」というのは、辞書を引かないとまず分からないだろう。
私も初めて知った。
なんでもかんでも辞書を引くとこのような悲劇に見舞われる。
岡田は、その後、私たちの間で「どしゃぶり君」とネーミングされた。