25年くらい前の話。
本社に異動になった時、同時に新入社員の女の子(A子)も一緒に配属された。
当時彼女は専門学校を出たばかりの20歳だった。
きゃぴきゃぴした感じであったが、仕事はそこそこできる子で、
パニくると大騒ぎするタイプであった。
ある日、A子は何かの申請書を課長に送信した。
うちの会社ではそのころすでに電子決裁システムを導入していて、パソコンで申請内容を入力して、申請ボタンを押すと上司に回覧され、上司が「承認」「否認」するようになっている。
A子は申請した後、誤りに気が付いたのであろう。
大慌てで課長のところに走って行き、
事務フロア全てに聞こえるくらいの声で
「三島課長、今すぐひにんして下さい。ひにん、ひにんです」
と叫んだ。
「三島課長、今すぐ避妊して下さい。避妊、避妊・・・」
私の頭の中で「避妊」の文字が回る。
課長は、「避妊したらええんか、避妊するぞ。はい、避妊できた」と「避妊」した。
このエロおやじの中では間違いなく「避妊」に聞こえたはずである。
A子が席に戻ったあと、エロ課長は、ぼそっと
「あの子、『避妊、避妊』って恥ずかしくないんか」
と言った。
やはりそう聞こえたようだ。