何年か前の話。
会社の営業推進部から全社員に通達があり、
「会社としてフェイスブックに参加するから、記事に『いいね」』をするように」
とのことだった。
「いいね」の強要である。
律儀な社員たちはこぞって「いいね」をしていたが、こんなことで自分のアカウントをさらすのもどうかと思い、同じ部署の仲間たちと相談して、ダミーのアカウントを作って参加しようということになった。
普通に参加しても面白くないので、
勤務先:有限会社総務課
で統一し、居住地を
H課長・・・エイヤフィヤトラヨークトル ← アイスランドの火山
私 ・・・デュッセルドルフ ← ドイツの都市
Kさん・・・ンゴロンゴロ自然保護区 ← アフリカのタンザニアの地名
などとふざけた内容で登録をし、FaceBookに登録している他の社員のうち、友達の少ない人に3人同時に友達申請して、慰めてあげたりしていたところ、
数か月後・・・
Kさんによくわからない英語のメッセージが届いた。
ジョンだかジョニーだか忘れたが、黒人の青年で
「なつかしい!あなたはンゴロンゴロに住んでいるんですね。私はンゴロンゴロで
生まれ育った。仲間がいるなんてオレは猛烈に感激している!」
みたいなことが書かれてあった。
我々はふざけてやっていたのであるが、ジョンだかジョニーだかには、ぬか喜びさせてしまい本当に申し訳ない。
インターネットの威力おそるべし。
「いいね」の強要なんかしなくても、中身でお客様は見てくれるのだ。