我が家のすべらない話【すべて実話】

身の回りで起こった面白い話を毎日12時30分に更新していましたが、ネタが尽きてきたので2023年7月23日より更新頻度を減らします。

喋る絵本が引き起こした恐怖の夜(013)

長女の3歳か4歳の誕生日に音の出る絵本を買った。
それは英語の絵本で、登場人物のセリフにボタンが付いていて、ボタンを押せばセリフを英語で発音してくれる優れものであった。
夫婦ともども英語ができないので、子供には上達して欲しいと願って買ったのだ。

ストーリーは忘れたが、「Hello」からはじまり、「のどが渇いた」とか、「おしっこがしたい」とか「今日は天気がいい」とか全部で60種類くらいの会話があった。

 

その本の電池がなくなったので、早速新しい電池に交換したのだが、どういうわけか、どのボタンを押しても「really?(マジ?)」としか言わないのだ。

really?は疑問形の発音だった。


そのうち、ボタンを押さないのに突然「really?」と言い出す始末。
さすがに夜など気味が悪いが、そんなに気にしてはいなかった。

 

それから2日ほど経った日の夜1時ごろ、さあ寝ようかとしたところ、隣の部屋で
寝ているいぶりんが「お父さん!お父さん!」と叫んだ。
どうしたのかと思ったら、寝言であった。よくあることだ。

 

再度電気を消して、ふとんに入ったところで、
「really?」「really?」と例のつぶやきが二度した。
さすがに暗闇で聞くと結構不気味なものがある。

 

そのとき突然天井あたりからバキッという音がして、足元に白い大きい何かが落ちてきた。


「うわーっ!、うわーっ!!」
叫び声を上げる私。

 

見れば、それは照明のカバー(直径約70cmのプラスチック製)であった。

 

「もううるさいっ!」
妻が怒っているが、こんな恐怖は初めてだ。

 

その後もいぶりんが、
「お父さん来て」と寝言で叫ぶ。

 

私は恐ろしくなって、音の出る絵本の電池を抜き去り、その夜は子供たちと寝た。

こっちが「really?」と聞き返したいくらい。

 

数日前に照明の蛍光灯を交換した時にカバーがちゃんとセットできていなかったのが原因なのだが、深夜にしかも「really?」のあとという偶然が重なり、恐ろしい体験だった。