我が家のすべらない話【すべて実話】

身の回りで起こった面白い話を毎日12時30分に更新していましたが、ネタが尽きてきたので2023年7月23日より更新頻度を減らします。

うわさの広がる速さを実感する(096)

1993年ごろの大学の時の話なのであるが、
京都のF駅が私の大学の最寄り駅だった。

当時この駅は2階に改札があり、電車を降りる→階段上がる→改札→階段下る→大学まで歩くという行動を電車通学の者は取らねばならなかった。

 

ある朝、大学へ向かう途中「階段下る」の過程で混雑のなか、「うぉぉ」との叫び声をあげ、派手に階段から転げ落ちる男がいた。
あとで分かったのだが、同じゼミの藤本であった。

 

目が悪いのでつまづいたらしい。けがはなかったようだ。
藤本の派手な転倒はゼミの中で、その日のかなりの話題にのぼった。

 

翌日、同じゼミの青木が、藤本を見つけこう言った。
「藤本、お前ものすごい有名になってるで」

 

青木の話を総合するとこうだ。
昨日、青木がその日の講義を終えて、自宅の最寄りの阪急高槻駅近くの道を歩いていたら、自分の前を歩く女子大生らしき2人の話すのが聞こえたらしい。


「今朝、京阪のF駅の階段で、ものすごく派手に転んだ男の子がいた」

これはまさしく藤本のことである。


京都市伏見区で起こったマスコミの報道にもない事故が、その日の夕方には高槻市にまで伝わっている。

昔もこんな感じで(電車はないけど)情報が伝わっていったのだろうか?