我が家のすべらない話【すべて実話】

身の回りで起こった面白い話を毎日12時30分に更新していましたが、ネタが尽きてきたので2023年7月23日より更新頻度を減らします。

「特急かもめ」の頑固じいさん (112)

2008年の話。

9/18から9/20まで出張で、博多→長崎→熊本→博多と回った。

そんな中、長崎から熊本に向かう途中、長崎→鳥栖間を「特急かもめ」に乗ったのだが、すごいオヤジがいたので今回はそのことに触れたい。

 

まず長崎駅で指定席の切符を買い、特急に乗り込んだ。
横(窓側)には高齢のおじいさんが座っていた。
このじいさんは今回の主役ではない。
その人は途中の佐賀駅で降りて行った。

 

当時のJR九州ルールで、佐賀→博多間は指定席券無しでも指定席が空いていれば、その席に座っていいというルールがあるらしい。(今はどうか知らない)

 

佐賀駅で30代(同い年くらい)のサラリーマン風の男性がやってきて、「横、空いてますか?」と聞いてきた。
さっきじいさんが降りたから、
「空いてますよ」と答え、サラリーマン風の男性横に座る。
僕の後ろの席2つも空いていたので、誰か座ったようだ。

 

数十秒後。

 

「ここ、私の席だが」

 

と大きな荷物を持ったじいさん登場。
年齢は60過ぎぐらいの白髪ででかい体のじいさんがさらにたたみ掛ける。

 

「指定席なのに堂々と座ってアンタどういうつもりなんだ!」
「まったくなに考えているんだ!こっちは金払っているんだぞ!!」

 

うしろで
「じいちゃん、もういいよ。放送で佐賀からは指定でも空いてる席に座っていいって言ってるよ」との声が聞こえる。


どうやら、その頑固じいさんの奥さん、その娘(30歳くらいか)、娘の子(3歳くらい)の4人で旅行をしているようだ。

 

「だってよ、ここは指定席だぞ。涼しい顔してすわっとるのが許せん」

 

頑固じいさんの怒りは収まる気配はない。

まったくうるせーなと思いつつぼーっと寝ていた。

しばらくして車掌が切符を調べにやってきた。

ここでまたひと騒動勃発。
頑固じいさん一家の切符が行方不明なのである。

 

「さっきお前が持ってただろ」

 

頑固じいさんはばあさんを追及。


「切符の管理もできんのか。だいたいお前はなぁ・・・・」

 

また始まった。

ばあさんはデッキに出て、かばんをひっくり返して探しているようだが見つからない。
しばらくして娘が、
「そういえば、じいちゃんが改札出た後『わしに貸せ』言うてたよ」と言いだし、
頑固じいさんのポケットから切符発見。

ほどなく鳥栖に着いたので私は電車を降りた。

私が降りるとき、おばあさんが私に
「ほんとお騒がせして申し訳ありません」と頭を下げた。

おそらくこの一家は長年、頑固じいさんが騒動を起こし、おばあさんが尻拭いしてきたのであろう。
しかしこんな頑固じいさんが嫁の親だったり、会社の上司だったりしたら大変だ。

 

最初に怒られたサラリーマンが不憫である。