中学2年の時、担任の先生が、「君らは新聞をまったく読まなさすぎる」と嘆き、
「これからは、朝のホームルームの時間に、誰か1人を指名するので、何でもいいので新聞記事を発表してもらう」
ということになった。
中学生が興味を持つ新聞記事では、スポーツニュースくらいしかないので、発表すると言っても、プロ野球でどこが勝ったなどということが多かったような気がする。
それでも新聞を読まない者にとっては、大相撲開催中であれば、
「昨日、千代の富士が勝ちました」
と言っておけば、先生に指名されてもほぼ切り抜けられることが分かってきた。
ある朝、新聞など目するはずのないアシダ君が先生に指名され、例によって、
「昨日、千代の富士が勝ちました」
と言うと、先生が、
「バカ、昨日、千代の富士は負けたんじゃ!」
「あれぇ、そうだっけ」
と首を傾げたままのアシダ君の姿にクラス中、大爆笑となった。
確かにその頃、千代の富士が負けることは珍しかった。
幕内の外国人力士といえば、高見山が引退し、小錦くらいしかいなかった時代。
あれから30年以上経って、国際化が進んだとはいえ日本人力士に頑張ってもらいたいと思う。