小学校の頃の話。
裏の家にチャーちゃんと呼ばれるキジトラ柄のメスのネコが飼われていた。
ネコとしてはスタイルも良く、長い尻尾を常に立てて歩き、品の良いネコであった。
オス猫どもが言い寄ろうものなら、ものすごい形相で怒り、蹴散らしていた。
美人にありがちななかなかキツイ性格の持ち主であった。
しかし、私とは仲が良く(エサを良く与えていたため)良好な関係であった。
小学校5年生の頃であったか、うちの前の家にコロという犬が飼われていた。
田舎だったので放し飼いで、よく我が家の敷地の中に入ってきていた。
ある日、そのコロが離れ(倉庫)の土間の奥に入り込んでいった。
たまたま庭でチャーちゃんと遊んでいた私は、こいつらを対面させたらどうなるのだろうと思って、コロの後ろにチャーちゃんを置いてみた。
チャーちゃんは「シャー、ウー」と低いうなり声を上げ、尻尾がものすごい太さになった。
ネコは怒ると毛を逆立ててすごい迫力がある。
不意を突かれたコロは、キャンキャンと悲鳴を上げて逃げるが、そこは行き止まり。
そして、ジャーとおしっこを漏らした。
その後、コロはうちには来なくなった。
チャーちゃんは私が大学4年のころまで生きていた。
15年くらい生きたことになる。
コロには悪いことをしたが、犬より猫の方が強いのかと子供心に刷り込まれた。
チャーちゃんとの思い出は他にもあるのでそれはまたの機会に。