高校の頃の話。
仲の良い友達にSという男がいた。
家は会社を経営していて裕福なのだが、そのことにはあまり触れられたくないらしい。
お調子者で時々信じられない失敗をする。
高校に入るといきなり数学でつまづく者が多く、宿題のプリントを完成させるのも大変だった。
ある日Sは、クラスの中でも数学の良くできるH君に宿題のプリントを見せてくれるよう頼んだ。
心優しいH君は快諾し、Sは宿題を完成させ、提出した。
(H君は現在歯科医になっている)
次の日の数学の授業の時、先生がSを読んだ。
先生:「S、お前、Hの宿題を写しただろう?」
S:「いいえ、写していません」
先生:「ウソつくな。Hの出席番号まで写しとるぞ」
クラス中、大爆笑。
Sは教室の後ろに立たされ授業を受けた。
そんなSは今、会社の社長になっている。