我が家には、長女の「いぶりん」と次女の「ありー」がいる。
子供というのは、さまざまな発言、行動で親を笑わせてくれる。
この話は2006年に私の祖母(いぶりんからみて、ひいばあば)が亡くなった時のことである。
その当時、いぶりんは4歳、ありーは1歳だった。
私たちは、私の実家から車で2時間ぐらいのところに住んでいた。
2006年のある日、妹から「おばあちゃんが亡くなった」との知らせがあった。
95歳だった。
そしてその日の夕方には実家に帰った。
ばあさんの部屋に、ばあさんの遺体は安置してあった。
(この辺りでは、通夜、葬儀は自宅でするのだ)
いぶりんにとって、身近な人の死というものは初めてだったので、人が死ぬとはどういうことなのか教えようと思い、私はいぶりんをばあさんの部屋に連れて行き、
「ひいばあばの手をさわってごらん。冷たいでしょ?ひいばあばはお星様になるんよ。もう目も開けないし、お話しすることもできないんよ。」
などと説明した。
それからしばらくして、近所に住むばあさんの友人がお悔やみを言いに来た。
その友人は、遺体を前に語りかけた。
「どうして先に逝ってしまうの。お願いじゃけん、目を開けて・・・」と言うなり泣き崩れた。
それを見ていたいぶりんはすかさず、
「あのねぇ、ひいばあば、死んでるから。」
「もうしゃべらないし、目は開けないから。」
と説明するではないか。
私はすぐさま、いぶりんを別の部屋に連れて行き、笑い転げた。
このような深刻な場面で不謹慎ではあるが、我慢できなかった。
葬儀の日、ばあさんの棺にお別れをするとき、4歳のいぶりんは泣いていた。
4歳でも「人の死」が分かったようだ。
ばあさんが亡くなった悲しみも、いぶりんの名言により大きく緩和された。