以前の話で、釣り船に飛び込んできたボラをキャッチし、釣り大会の大物賞をもらった藤井課長の話。
課長が新入社員だった頃、実家から1時間半ぐらいかけて電車通勤をしていた。
当然、仕事が長引く日もあり、終電で帰る日もあったらしい。
ある日のこと、例によって終電になってしまったのだが、疲れていたため寝てしまった。
ある駅に電車が到着し、ハッと気がついて目を覚ますと自分が下車する駅を何駅も過ぎていた。
思わずその駅で飛び降りた。
しかしそこは県境の待合室もないような無人駅。
当然駅前にホテルどころか、タクシーさえ無い。
当時は携帯電話もない。
結局、駅のベンチで野宿したらしい。
「あれが冬だったらおれは凍死していた」
と課長が言っていた。
加えて、
「電車で寝過ごしても、途中の知らない駅で下車してはいけない。
必ず知っている駅か終点まで行くように」
と教えてくれた。