我が家のすべらない話【すべて実話】

身の回りで起こった面白い話を毎日12時30分に更新していましたが、ネタが尽きてきたので2023年7月23日より更新頻度を減らします。

取引先の変わっている人(169)

福岡の支店勤務だった時の取引先の人でZさんという60代の人がいた。

少し変わった人で、訪問してくるなり、勝手に事務スペースに入ってきたり、まだ受付で案内していないのに、自分からずかずか応接室に進んでいく人であった。

あるときは、Zさんから電話がかかってきて、

 

Zさん:「タノウエさんはおられますか?」
受付:「タガミは外出しています」


Zさん:「ツツミ支店長はおられますか?」
受付:「副支店長のツツミは外出しています」


Zさん:「マエバルさんはおられますか?」
受付:「支店長のマエハラも外出しています」

 

ことごとく間違っているのである。
何度も会っているのに。

別の日、休日に私が一人で仕事をしていると、Zさんから電話がかかってきて、


「さっきこの番号から電話がかかってきたから折り返し電話した。タノウエさんだと思う」


という。


その日事務所には私しかいないので、まずありえないと言うと、急ぎの要件だと思うから、つないでほしいと言う。


仕方なく、休み中のタガミさんに連絡を取ると、
「うわー」と言って電話が切れた。


運転中の電話で警察に捕まったらしい。
しかもZさんに電話したのは、今日ではなく昨日の話だという。

またあるときは、Zさんが支店に来られて、
「バスの時間があるので急いでいます」
と申される。

 

その時は、天神か博多で高速バスに乗るのかなと思っていたら、
あとでタガミさんに聞くと

 

「あ~、あれはうちの支店の目の前のバス停の時間よ」

 

そこのバス停は、日中は3分に1本くらいの割合でバスが発着しており、すごいときは、バスが5台ぐらい連なって停車している。
昼間に誰もバスの時刻表など確認して乗る者はいない。

Zさん、いったいどんな几帳面な生活をされているのか。

マイペースすぎて周りを乱す人がいるがまさにそういう人である。